村上龍「限りなく透明に近いブルー」読後感想

久しぶりに小説を読んだ。

何か聞いた事ある題名だったので図書館で借りて読んでみた。

題名からして心洗われるきれいなお話なんだろうなあて思っていたけど全然違いました。

薬とお酒と性に溺れてラリって自分が分からなくなって死んでもいいって感じの話だった。

 

しかしながら描写がリアルなのです。とっても

主人公が”リュウ”なんですけどたぶん著者の村上龍さんの実話なんじゃないんでしょうか…

19歳で薬物中毒になっても昔は警察も助けてくれなかったんだろうなあ

 

 

夢を見る時ってわけがわからないことも筋が通っているような気持ちになったり、空を飛んだり魔法を使ったり、現実では起こり得ないことが起こるけど、それが現実での自分の意識の中で起きていて、妄想と靄のかかったような視界の奥での現実の出来事が遠く響いているのがほんとにそのまま描かれていた。

結構グロい描写が多くて受け付けられないところもあったけど、村上春樹風の歌を聴けとか、伊坂幸太郎の砂漠的な空気が流れていて個人的にこの空気感が好きだった。

くすんだ灰色と茶色と黄土色が混ざった冷たい風の匂いがするような小説がタイプなので内容はともあれ好きでした。

読み終わった後不思議とすっきりしたなあ

あんなに気持ち悪かった中盤が嘘のようです。

 

車校の卒検を受けて落ちたと悟ってからの1時間半の待ち時間の間にほとんどを読んだからいろんな意味で超具合が悪かった。

坂道発進をしようとしたら思いがけず別の車が先にいて途中で止まって待っているときに次どうしたらいいかわからなくなってギア2に入れたままエンストして30センチ以上後ろに下った×2回をしてどうして合格できたのか不思議でなりません。

そんな話は良いのです。泣

 

ネットでのほかの人の感想が気になる作品だったなー。

何が評価されているんだろう。薬物中毒の人の気持ちになるにはもってこいだけどどうして有名な作品なのかは経験が浅いからか謎でした。

 

 

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レビューを見てみたけど

限りなく透明に近い(ほぼ空っぽ)

なブルー(青春時代)

という解釈があってなるほどなという感じだった

読むなら苦しくても最後まで読むことをお勧めします。

最後に何も変わっていないけれど本の中で涼しい風が吹きました。